M70-R
マグネット式トレーナーの中核モデル
新型Mシリーズとは
Mシリーズは弊社のトレーナーシリーズの中でも特にベーシックなモデル群として,必要十分な性能をリーズナブルな価格で提供しようという意図のもとにラインナップされているシリーズです。
新設計されたU字型フレームは,ワンタッチで自転車を脱着できる便利なクイック式ハブクランプ機構を備え,無意味に自己を主張しすぎないシンプルなデザインとともに,コンパクトな収納性や持ち運びしやすい軽い重量など,日常での使い勝手を追求したモデルとしています。
コストを抑えるべく,フライホイールは重量0.6kgのスチールディスク仕様としています。
M70-Rの位置付け
M70-Rは新型Mシリーズの上位モデルとして,兄弟モデルであるM60-Dとは異なり,あくまでもトレーナー本来のパワートレーニングを目的とした設定としています。
M70-Rには便利なリモコンシフターが装備され,自転車から降りることなく7段階にその負荷力を自在に調節することができます。パワーは本格的モデルであるVシリーズにも匹敵する440ワット(時速40km時)に達します。
U字型フレーム
新型Mシリーズより採用された新設計のU字型フレームは,軽くて剛性に優れたものを目指して作られ,自転車を保持するため後輪のハブ軸を左右からクランプするカップリングの操作方法は,くるくる回すハンドル式からクイックレバー式に変更されています。
これによりすばやく自転車をトレーナーから取り外して外に持ち出せる,あるいは外出先から戻ってきた自転車をすばやくトレーナーに装着してトレーニングを開始することができます。
2009年12月出荷分以降,リモコンシフターは新型にアップグレードされています。
渦電流式マグネット負荷装置とは
静かで幅広い負荷調整が可能
弊社は今から約20年前に,世界で初めて永久磁石を利用した自転車用室内練習機(特許取得済み)を開発したメーカーです。
その当時は世界には2つの負荷抵抗方式しかありませんでした。ひとつは空中で風車を回すファン式で,もうひとつがローラーを直接押し当てて抵抗を得る方式です。
ファン式は速度に応じてリニアに負荷抵抗が高まっていくすばらしい効果を生み出してくれましたが,残念ながら風車が空気をかき回す際に非常に大きな騒音を立ててしまうことが欠点でした。またローラーを押し当てる方式はすぐにローラーが摩耗したり加熱してパンクしてしまうという欠点がありました。
いずれも負荷の強弱を調整する機構は備えられなかったか,あるいは装備していたとしても微調整ができる代物ではありませんでした。
弊社の特許取得済み負荷抵抗方式は80年代末当時,非常に静かでスムースな負荷装置だとして世界中で絶賛され爆発的なヒット作となりました。
渦電流を利用した磁石式負荷装置の基本構造は非常にシンプルなものです。
基本的には,相向き合った磁石があり,その間に非鉄金属であるアルミ製のプレートが位置するという構造です。磁石の片側は固定され,もう一方は回転してその磁極位置を変えられるようになっています。アルミプレートはローラーと直結され,自転車の車輪により高速回転します。
ご存知のように,磁石はSとSあるいはNとNの場合は互いに反発し合い,SとNの組み合わせの時には互いに引きつけ合います。これは磁石と磁石との間で飛び交っている磁力線(磁束)による作用であり,極性の重なり合う幅によってその強さが変化します。
非鉄金属であるアルミプレートはこの磁束を裁ち切る作用を行ない,その時の磁束の粘りの強さによって負荷抵抗の強弱が決められます。つまり,SとNの引きつけ合う場合は磁束が強くなるため負荷抵抗は大きくなり,反対に反発し合う場合は磁束がほとんどなくなるため負荷もほとんどゼロにまで落ちます。
このようにして弊社の磁石式負荷装置「マグターボ」は,負荷の強弱を大きくかつ自由に変化させられるため,きつい坂道を上ったり,あるいはなだらかな平坦地を走っているかのようなシミュレーションが,室内にいながらにして行なえるわけです。
磁石式 v.s. フルード式
磁石式は負荷の調節が可能です
フルード方式の原型はアメリカのCycleOps社によって開発されました。その原理は,風車が液体の中で回転するときの流体抵抗を利用する,という非常にシンプルな仕組みであり,風車のフィンがどれだけ液体に浸っているかで負荷の強さが変わる方式です。
通常この液体は耐熱性を考慮してシリコンオイルを使用します。
フルード式はその構造上すべての部品が密閉された部屋の中に位置します。さもなければオイルが漏れ出してしまうからです。
そのため騒音の発生源が密閉されているということで構造的には非常に静かな負荷装置になり得ますが,品質の悪いもの(重量バランスがきちんと取れていないもの)では,騒音レベルは許容できるレベルを遙かに超えています。
アメリカKinetic社のフルードモデルは,本人たちは「Extremely quiet(驚くほど静か)」と言っていますが,回転時の「ジャーッ」という唸り音はお世辞にも静かとは言えないやかましいものです。
いったん高速で回り始めた風車はオイルを密閉空間の外周部にはじき飛ばすことになり,結果として,オイルはプールのようにケースの底に溜まっているのではなく,ドーナツのようにケースの周囲に薄い膜を作るだけになるのが現実です。
そのためフィンはその先端がかろうじてオイルに接触するかどうかだけであり,それに頼る負荷調整は望むべくもありません。
フルード方式では,使用に伴う温度上昇によるオイルの膨張とそれによるオイル漏れを危惧して,オイルは最初から少なめにしか入れてありません。
結果としてフルード式における負荷力の調整幅は非常に狭く,たとえそのトレーナーに負荷調整機構が備えられていたとしても事実上機能していないのが実情です。
さらに,フルード式は速度が上がると否応なしに負荷も上昇していってしまうため,スプリント練習のような「高回転・低負荷」のトレーニングができないという欠点があります。
その点磁石式負荷装置では,最初から重くするとか,高速になっても軽いままにするなど幅広い負荷調整が可能で,トレーニングの目的に適した負荷量を適切にセットできる点がフルードに対する優位点になります。
新型U字型フレーム
軽量で丈夫な新設計フレーム
M70-Rでは新設計のU字型フレームを採用しています。これはトレーナー全体の軽量化による持ち運びのしやすさを狙ったためのものです。
U字型フレームは直径38mmのスチールパイプでできており,最大荷重120kgに耐えられる十分な剛性を確保しています。
なおこのフレームは最大29x2.1インチ(タイヤブランドによっては不可の場合あり)のタイヤサイズをも許容するサイズとしていますので,ほとんどのMTB・ロード・クロスバイクに適合します。
広げると左右に大きく張り出し,トレーニング中の前後左右への体重移動が起きてもしっかりと自転車を支え続ける脚は,直径29mmのパイプ製です。本体フレームとぴったり折りたためるため,不要時にもかさばらずに収納することができます。
もし26x1.0インチ未満のサイズのタイヤを使用する場合は,付属の「Z型アダプタ」を負荷装置と取付台座との間に装着して,負荷装置を持ち上げて使用します。このアダプタを装着することで最小20x1-3/8
までのタイヤに適合します。
上位モデルのV130とU字型メインフレームは共用していますが,負荷装置の位置が異なるため適合タイヤサイズはV130とは同じではありません。ご注意ください。
クイック式ハブクランプ機構
自転車の脱着時間を大きく短縮する便利なメカニズム
従来の弊社トレーナーでの後輪ハブ軸を挟み込む機構には,ねじ込み式のハブクランプハンドルを採用していました。大型ハンドルのおかげでその操作は決して難しくはありませんが,やはりクイック式と比べると所要時間は長くかかってしまい,その間もう一方の手で自転車を支え続けなければならないという欠点がありました。
Vシリーズおよび新型Mシリーズでは,右側のレバー1本を操作するだけで瞬時に自転車を脱着できるクイックリリース式ハブクランプ機構を新たに採用しました。
レバーを押し下げればカップリングが内側に動いてハブ軸をクランプし,また引き上げれば外側にスライドして解除できますので,ワンタッチで自転車の脱着が可能です。
ハブ幅の調整は左側カップリングの突き出し量で行ないます。この左側カップリングは1ピースの大型ボルトを切削して作られており,非常に頑丈です。
カップリングボルトの根本にはロックナットがデザインされており,トレーニング中にもがいたとしても緩むことのないようがっちりとカップリングボルトを保持します。
標準状態で対応する後輪ハブ軸のオーバーロックナット寸法は120〜145mmです。
なおVシリーズでは,すべての自転車は付属のクイックレリーズに交換していただくことを前提としています。ご自身のクイックレリーズはいかなるブランドや形状のものであっても使用できません。
ハブナット式の自転車の場合にはこのクイックレリーズは使用せず,また左側カップリングボルトを別売の専用のものに交換する必要があります。
トレーナーに付属のクイックレリーズは,そのまま路上走行に使用しても差し支えありません。
注意・制限事項
注意していただきたいこと
- 負荷装置は使用することで高温となります。トレーニング中やトレーニング終了後15分間は負荷装置に触れないでください。
- 回転しているフライホイールや車輪に巻き込まれると怪我をしますので,これらには絶対に触れない,また触れさせないようにしてください。特に小さなお子様やペットには注意してください。
- M70-Rの最大荷重は,自転車重量込みで120kgまでです。
- カップリングは付属のクイックレリーズにのみ対応する形状にしてあります。ご自身のクイックレリーズは使用できません。必ず交換してください。
- ピストなどのハブナット式のホイールでは,カップリングの内径とナットの外径との差によりガタつきが発生するため,左側カップリングを別売の「ハブナット用カップリングボルト」に交換する必要があります。
- ハブを左右から挟み込む構造のため,内装変速機が装備されたハブでは使用できません。
- M70-Rにはフットペダルは装備されていません。一般的なノブボルト式です。
- リモコン式負荷装置をマニュアルレバー式に改造することはできません。
- 2009年12月工場出荷分より,リモコンシフターは新型の赤色のものに切り替わっています。
- ワットマスターには対応していません。
旧モデルからの変更点
リモコンシフター
黒色の小型のものから,赤色の大型のものに変更されています(2009年12月生産分以降)。
オプション
快適にトレーニングしていただくためのオプション品
トレーニングマット2
床を汚れや傷から防止すると同時に,床への振動を最大75%カットするフロアマット
追加補助パッド
トレーナーの脚の下に敷くだけで床への振動を抑える10cm角のパッド4枚組み
セーフティネット2
トレーニング中にかく塩分を含んだ汗から車体を保護するプロテクタ
Dualist(デュアリスト)
騒音を抑えつつ長い寿命を持つよう特別に設計されたロード用トレーニングタイヤ。路上走行も可能なデュアルパーパスタイヤ。700x23cのみ
ハブナット用左側カップリングボルト
ハブナット式自転車専用のカップリングボルト
スペック
- 製品コード 400-1780-00
- 負荷調整 7段階(リモコン式)
- フライホイール重量 0.6kg
- 適合ホイールサイズ 20x1-3/8〜29x2.1インチ(ただしタイヤモデルによっては29x2.10は不可の場合あり)
- 適合リアハブ幅 120〜145mm
- 設置寸法および高さ W 610 x D 410 x H 390 mm
- 脚直径 29mm
- 本体重量 6.2kg
- 最大荷重 120kg(自転車含む)
- 付属品 取扱説明書,専用クイックレリーズ,製品保証規定カード
- 価格 24,675円(税込み)
- 品質保証期間 1年間(負荷装置)/5年間(フレーム)
データダウンロード
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リモコン操作1
Lレンジにセットできない
リモコンシフターをいっぱいに捻ってもLレンジに入らず,勝手に1レンジに戻ってしまうことがあります。これはリモコンケーブルの遊び調整が適切に行なわれていない(ケーブルが短すぎる)ためです。
まずはリモコンケーブルの取り回しができるだけまっすぐになるよう調整してください。ケーブルの特性として,丸めれば丸めるほどインナーケーブルを引っ張って短くしてしまいます。ケーブルを曲げるときはできるだけ大きな半径で曲げるようにしてください。
これで解消しない場合は,リモコンシフターを「L」を超えて,さらにあと30度ほどねじってみます。これで少しケーブルを伸ばす(正確に言うとアウターを縮める)ことができるため,ほとんどの場合これで解消します。
あまり強く捻りすぎると樹脂ケース内部の部品を壊してしまうので注意してください。
それでも解消しない場合は,ケーブル根本にある調整ボルトを少し緩めます。
シフターを「H」レンジにし,できるだけまっすぐケーブルを伸ばした状態で,負荷装置からケーブルが出ている部分の黒い樹脂キャップを抜き取り,内部にある調整ボルトのナットの位置を確認します。
もしナットがボルトの頭から離れているようであれば,少しその間隔を詰めてください。
以上のことを行なっても解消しない場合はケーブルの交換が必要です。お買い求めになったショップにご相談ください。
リモコン操作2
漕いでいると勝手にレバーがH側に戻ってしまう
リモコンシフターの動作力(保持力)を調整しているのは,シフター中央にあるボルトの締め付け具合です(新型リモコンシフターでの場合。旧型ではシフター裏側のネジによります)。
弊社の磁石式負荷装置はその構造上,どうしても磁石同士が引きつけ合うH側に行こうとする傾向があります。このときシフターのボルトが緩んでいるとそのポジションを維持できず,勝手にH側に1段か2段動いていってしまうことがあります。
この問題を解決するには,4ミリ六角レンチで中央のボルトを少しだけ締め込めば直ります。
しかし締め込みすぎるとシフター自体の動きが非常に渋くなってしまうため,適度に調節してください。
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