TRUE-PRO 2 リム振れ取り台 生産終了
正しい走りのためのホイール・メンテナンス・ツール
自転車はプロのメカニックだけでなくユーザ本人でもメンテしやすい機械ですから,さまざまなツールや交換用パーツが販売されれています。
そんな中で「最後の聖域」として残されているのがホイールのメンテナンスです。
ワイヤースポークで構成されている自転車用ホイールは,使用するにつれてその荷重変化や衝撃などによりニップルが緩み,だんだんと歪んできます。
いちばんよく分かるのが回転させると左右に振れる「横振れ」というもので,みっともないだけでなく,ブレーキシューとリムとが接触して無駄な抵抗になったり,直進安定性が損なわれたりします。
また気付きにくい歪みとして上下に振れる「縦振れ」というものもあります。
走っていると何か周期的にぽんぽん撥ねるような動きを見せたりするときは,この縦振れを疑ってみるべきです。タイヤの空気圧が低いとタイヤだけでこの振動を吸収してしまうので気付きにくいのですが,それでも正常な走行の妨げにはなっています。
リム振れ取り台は,ホイールがきちんと正しい形状に保たれているかどうかをチェックするための測定器具で,この上でスポークレンチなどを使いながらその歪みを修正していきます。
振れ取りは非常にスキルの高い作業ですが,自分で成し遂げられたときは,愛車がより一層愛らしく思えるものです。
True-Proはこの振れ取り作業をエンドユーザにも行なえるよう開発された,ポータブル型のホイール振れ取り台です。
2010年6月出荷分より,振れ取りゲージのステーへの装着方法(ボルトの方向)が変更されています。それ以外の機能には変更はありません。
振れ取り作業とは
ニップルの締め込みでスポークテンションを調節することです
ホイールは,ハブから出ているワイヤースポークがニップルを介してリムに接合して構成されています。ニップルは内側にネジが切られており,締め込むとスポークを引き込むようになっています。
振れ取り作業の前に,まずスポークが正しいテンションで張られているかどうかをチェックしなければなりません。緩すぎるテンションではまたすぐにホイールは歪んできますし,それ以前にぐにゃぐにゃした気持ちの悪い乗り心地にしかなりません。逆に張りすぎるとちょっとした衝撃でスポークが切れてしまうことになります。
正確なスポークテンションは専用のテンションメーターで測定します (ホーザンやWheelSmithなどから発売しています)。
次いで,ホイールをTrue-Pro2にセットし,ゆっくりと回しながらリム表面とゲージ先端との隙間をチェックしていきます。もし振れていればリムはゲージに接触したり離れていってしまいます。これを全周とも均一の隙間にしていくことが振れ取り作業です。
振れ取り作業の基本は,正しいスポークテンションを保ちつつ,本来の中心線から外に出ている側とは反対側のハブフランジに向かうスポークのニップルを締め込み,スポークを短く引き込むことで行ないます。ニップルは緩めて調整するものではありません。
作業の手順や注意点についてはTrue-Pro2の取扱説明書でも説明していますが,より詳しい内容については専門書を参照するか経験を積んだメカニックに相談してください。
左右連動式横振れゲージと折りたたみ式縦振れゲージ
できる限り短時間で作業を済ませるための工夫
ゲージには,横振れを測定する左右一対のアームと,縦振れを測定する1本のアームがあります。
横振れ用ゲージアームは手前のノブを回すだけで左右とも連動して開閉しますので,ゲージ先端とリムとの間隔を左右とも揃えることで,ホイールを左右対称の正しい姿に保つことができます。
またこのアームはそれぞれ単独で大きく開いて仮固定することができますので,いったん決めたゲージ間隔を保ったまま,タイヤ付きのホイール(当然リムよりも広い)を素早くセットすることができます。
縦振れ測定アームは折りたたみ式のため,不要時にはホイールから離しておくことができます。
また中間のリングを回すことでアーム自体を伸縮させることができるため,最適な角度でリムに当てることができます。
オートセンタリングについて
ハブ幅に関係なく常にセンターを捉え続ける機構ですが,過信は禁物です
True-Pro2には「オートセンタリング機構」という,ハブ幅が狭かろうが広かろうが常にホイールを一定の位置にとどめようとする機構が搭載されています。具体的には,ホイールを支える支柱が左右とも連動して開閉する仕組みになっています。
そのため,いったん付属のTゲージを使って測定ゲージを正しい位置(支柱間のセンター)に合わせておきさえすれば,あとはどんなホイールを持ってきても,いちいち測定ゲージ位置の再調整をすることなく
ホイールのセンター合わせ(左右対称性)を確保したまま振れ取り作業が行なえる,というのがもともとの設計思想でした。
しかしTrue-Proはあくまでも軽量で簡単に折りたためる携帯性を重視した振れ取り台であり,プロ仕様のものとは異なって,それほど堅牢な構造にはしてありません。
特に支柱の取り付け強度に関してはそれほど強いものではなく,たとえば左右の支柱を握りそれぞれを前後に動かしてしまうと簡単に互い違いに前後位置がずれてしまいます。その結果,取り付けたホイールが斜めにセットされてしまい振れ取りゲージとホイールとの位置関係が大きくずれてしまう(たとえ支柱付近では小さなずれであったとしても,ホイール外周にまで遠ざかると大きな誤差となってしまう),という問題点があります。
また,本体を折りたたむ際に片方の支柱だけを手で持って行なうと,そちらばかりが押されてしまい,結果的に上記と同じ状況に陥ってしまいます(これを回避するには,手のひら全体を使って左右の支柱とも同時に押して折り畳むようにします)。
さらに,いったんTrue-Pro上にセットしたホイールに対して横向きの力を加えたり(ホイールを蹴飛ばしたり体を当てたり)すると,同じように支柱がずれてしまい,正しい振れ取り作業が行なえなくなってしまいます。
いったんずれてしまった支柱は元に戻らないわけではなく,左右の支柱をつかんで前後に逆に動かしてやれば元の位置に戻すことは可能です。
とにかくTrue-Proでは支柱の取り扱いには十二分な注意が必要であることを常に認識してください。
さらに,True-Proの支柱先端の爪部は可動式になっており,これは異なる幅のハブであっても常に爪がハブに対して直角を保つよう配慮したものですが,意図的に傾けたままホイールをセットしてしまうこともできてしまいます。
そうするとハブ幅に対して支柱が正しく左右均等に位置されなくなり,せっかく合わせた振れ取りゲージ位置が見かけ上ずれたようになってしまいます。
爪は常にハブに対して直角になるよう注意しながらホイールをセットしてください。
結論として,True-Proのオートセンタリング機構は完全に左右対称なホイールが組み上げられることを保証するものではありません。正確な調整結果を期待したい場合には,別途センターゲージを併用するようにしてください。
またポータブル型であるTrue-Proと高価で堅牢なプロ機材とはおのずと異なるものであることを認識し,True-Proに過度な期待をかけることはお避けください。
T字型ゲージ
測定ゲージを正しくセンターに位置決めするためのゲージ
いくらTrue-Proが正しくホイールを支えていたところで,振れを測定するゲージ自体があらかじめきちんと正しい位置にいなければ,正しい結果を生んでくれません。せっかく苦労して振れを取ったのに,実は左右どちらかにずれていた,などという愚は犯したくないものです。
ホイールをセットする前に,まずこのTゲージで測定ゲージの位置を確かめましょう。
Tゲージは以前の三角形をしたトライゲージよりも長くできています。これは実際に振れ取り作業を行なうポジションでゲージ位置を確認できるよう,わざわざホイールの半径分の長さに延長したものです。
Tゲージを支柱にセットし,横振れ測定ゲージアームの間に位置させます。このときアーム先端とTゲージとの隙間が左右均等であれば,ゲージは正しくセンターに位置していることになります。もしずれていれば,ゲージの裏側にあるボルトを緩めてゲージ自体の位置を微調整しておきます。
スペック
- 製品コード 430-3220-00
- 対応ホイール径 29インチまで(下限はなし)
- ハブ幅対応サイズ 85〜150mm
- 折り畳み時寸法 L 470 x W 200 x H 70 mm
- カラー シルバー
- 材質 鉄(本体)/アルミ(支柱)
- 重量 2.2kg
- 希望小売価格 11,000円(税込み)
注意・制限事項
注意していただきたいこと
- ホイールは安全上の最重要部品のひとつです。作業に自信のない方や不十分なスキルしか持ち合わせていない方は,自分で行なうのではなく,専門店に任せることも必要です。振れ取り作業は個人の責任において行なうものであり,その結果については弊社は一切その責任を負いかねます。
- True-Proはあくまでもポータブル型の振れ取り台であり,プロ用の機材と比べるとその精度・安定性・確実性については劣ります。あらかじめ簡易型であることを認識してお求めください。
- オートセンタリング機構は,完全に左右対称のホイールに仕上げられるという保証をするものではありません。
- 通常の9mmクイック式もしくはハブナット式アクスル専用です。スルーアクスル式のハブには対応していません。
- ホイールをセットするときは,しっかりと下に押し込んだまま固定してください。ホイールが斜めになったままではまともな結果が出せません。特にクイックを締め付けるときは反力で浮き上がりやすいので注意が必要です。
- ホイールはぶらさないようにゆっくり回してください。速く回しても意味がありませんし,回転の振動で正しく測定できません。
- 作業の前には必ずTゲージを使ってゲージ位置を確認してください。
仕様変更履歴
振れ取りゲージ装着方法変更(ver.2→2.1)
振れ取りゲージのステーへの装着ボルトを前面から背面に変更
Tゲージ(ver.1→2)
樹脂製で短い三角形のトライゲージから,鉄製で長いTゲージに変更
支柱ピボット部補強(ver.1→2)
本体内の支柱ピボットボルトにパイプカラーを追加し,開閉に伴う捻りの発生を防止
横ぶれゲージアーム補強(ver.1→2)
ゲージアームの連結カム部を折れにくく補強
データダウンロード
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ゲージの取り付け位置
Tゲージで測定すると,ゲージが調整範囲外にあるのですが
特にマイナーチェンジ前のものに多く見られる現象ですが,改良後はほとんど解消されています。
振れ取りゲージは丸棒製の枠に取り付けられていますが,この枠にはプレス段階での曲げ角度の個体差があり,また支柱を含めた本体全体との組み合わせにより,必ずしもゲージが枠の中心線上にあるとは限りません。
そのためゲージは左右に少しずらせられる構造になっていますし,枠の中心にゲージがないからといって初期不良というわけではありません。
弊社では1台1台検品する際にゲージ位置も調整し直しています。基本的に工場出荷状態では既にゲージ位置は正しい場所にありますが,支柱の開閉やゲージの展開をラフに取り扱うと,せっかく合わせた位置からずれてしまうことになります。取り扱いはソフトに行なってください。
ゲージ位置の再調整を行なうには,ゲージを止めている2本のボルトを少し緩め(あまり大きく緩めないでください),Tゲージと左右の横振れゲージの先端との隙間が均等になるようにゲージ位置を微調整します。
位置決めが終わったらボルトを締め付けて固定しますが,ボルトを締め込む際に引きずられてずれてしまうこともありますので,ボルトは少しだけ緩めるだけにとどめてください。あくまでもボルトを締めきった位置でセンターになるようにすることが必要です。
それでもゲージが調整範囲外にあると思われる場合は,以下の点を再確認してください。
- 支柱先端の赤い爪とTゲージとが直角であること。少しでも傾いていてはいけません。
- Tゲージが赤い爪の切り欠き部分の最も深い位置まで押し込まれるよう,手でTゲージを押し下げていること。手を離していては正しい結果を生みません。
- 左右の支柱を前後に互い違いに動かして,真横から見て正しく平行になるようにすること。支柱はデリケートで,簡単にその位置(角度)を変えられてしまうということを意識してください。
以上のことを行なってもまだ調整範囲外にあるという場合は,カスタマーサービスまでご相談ください。
Tゲージの対称性
Tゲージが表と裏で角度が違うのですが
Tゲージは表裏どちらの面を使ってもちゃんとセンターを指し示すように,完全に左右対称で作られているべきです。しかし量産品の中にはわずかに溶接角度がずれてしまっているものもあります。
Tゲージはひとつひとつ工場で検品され,ステーの角度を調整された上で梱包されています。しかし0.5ミリ程度ずれているものも紛れ込んでいる場合があります。
0.5ミリのずれとは,横振れゲージ先端とTゲージとを密着させた場合,もう一方の側に1ミリの隙間がある状態のことを言います。隙間の半分の寸法がずれた寸法です。
Tゲージが赤い爪から少しでも浮いてしまっていると,その先端は大きくずれることになります。そのためTゲージは常に下向きに押し付けられながら使用されるべきです。
もしそのように注意しながら使用してもまだずれていると思われる場合には,カスタマーサービスまでご相談ください。
縦振れゲージの捻り
縦振れゲージがねじれていて,リムの外周に左右同時に接しないのですが
縦振れゲージは簡単に言ってボルトの構造になっています。そのためもし捻ってしまっていたとしても,ゲージ先端を持って逆方向に捻ってやれば,ねじれは直せます。
横振れゲージの左右連動
ノブを回しても左右の横振れゲージが連動して動いてくれないのですが
特に狭く閉じていく際に起きうるトラブルです。この原因は横振れゲージを止めているボルトが少し強く締め付けられているためです。六角レンチを使って少し緩めてやるだけで直ります。
モデルの見分け方
改良されたものとされる前のものとは,どこで見分けるのですか?
振れ取りゲージを枠に止めているボルトが,内側から止められているものが改良前のもの,外側から止められているものが改良後のものです。
それ以外に仕様変更はありません。
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